完結編
視力を測ってみたら、裸眼で右目は1,5。左目は2,0だったの。
俺、なかなかやるじゃん!なんて思ったのもつかの間。
すぐに次の検診へ向かった。
そうやって検診を全て終わらせて、すぐに下校したのでした。
帰るとき、ロッカーのカギを失くしたことに気づく。
でもそんなことも後回しにして下校した。
なんとしてもあの子に会いたかったからだろうな。
遅れて会えなかった、なんてことにはしたくなかった。
いつもより一駅分多く電車に揺られて、久しぶりに訪れた我が母校。
暇そうにしているキヨスクや宝くじ売り場のおばちゃんや、
商店街や団地の景色が懐かしかった。
帰ってきたなぁ、って思う。
ほんの数週間前までは普通にここを通っていたのに。
そういった事はとても昔のようなことに思えた。
多分、自分の周りがそれだけ大きく変化していったってことなんだと思う。
さっそくあの公園に向かった。
学校のすぐ隣に位置する公園。
やはりそこも懐かしかった。
春休みの頃に何度も足を運んでいたのにな。
これもまた、すごく昔のことのように感じられたんだ。
景色の変化もあるのかもしれない。
あの日に見たソメイヨシノはとっくに散っていて、
木には緑色の葉が生えていた。
地面を見ても、桜の花びらは見つけられなかった。
春休みに見た公園の姿は、もうどこにも残っていなかった。
別に、寂しいとは思わない。
桜とは本来そういうものだということくらい知っているから。
これといって特別な想い入れも無かった。
別に散ったところで、なにか不都合があるわけでもないし。
ただあの景色が懐かしいな、と思うだけ。
会いたい人に会えれば、公園の桜なんかどうでもよかった。
あの子の呼称を決めておこうと思う。
「モモ」という名前だ。別に、コメントしてくれている人とはなんの関係もない。
あの子の下の名前から取っただけなんだ。
ベンチに座り、学校の様子をうかがう。
どうやらまだ授業をしているようだ。上々。いくらでも待ってようじゃないか。
モモに会ったら、なんて言おう。
モモは俺に会ったらなんて思うだろう。
そんなことを考えているうちに、時間はどんどん過ぎていった。
公園の時計が、午後3時を示す少し前。
校舎から、たくさんの生徒があふれる様に出てくるのがわかった。
計画はいたって順調。
なんの問題もなかった。
ここで待っていればモモに会えるはず。
たくさんの後輩が校門を抜けていくのが見える。
誰かが俺に気づくと、つられるようにしてさらに大勢の生徒がこっちを見る。
・・・少し恥ずかしかった。
手を振ってみる。
軽く会釈する後輩や、戸惑いがちに苦笑いする後輩、
そのまま逃げるように去っていく後輩など、反応は様々だった。
しかし、違う反応をする後輩もいた。
向こうから手を振ってくる女の子
「あれーっ、先輩じゃないですかー!!」
モモ、ではない。
覚えているのかな、モモと一緒にいた背の高い女の子。
他に2人の子と歩いている。モモはいなかった。
「ひさしぶり~」
「久しぶりですねーっ、どうしたんですかー?」
「学校が早く終わったからさ、ちょっと会いに来たんだ。モモいる?」
「モモは来てますよ」
OK,来ているらしい。
学校を休むこともあったから少し心配だった。
「今ちょっと頭髪検査受けてるみたいだから
まだ校舎の中ですねー。ここで待ってれば会えると思いますよ?」
「ならここでもうちょっと待ってようかな」
「それがいいかもですね」
(なにしてんのー、先行くよ~)
(あ、ごめーん。)
「じゃあそろそろ行きますね、先輩」
「うん、ありがとねー」
背の高い女の子は去っていった。
また一人ぼっちになった。
変なものを見るように、校門を抜けながら生徒たちがこっちを見る。
俺はサルか。
モモに会えればなんだっていいか。
そう思うことにして、じっと校舎の様子をうかがっていた。
30分経った。
モモは来ない。
1時間経った。
そろそろ来てもいいんじゃないか。
・・・だがモモは来ない。
1時間半経った。
・・・モモは来ない。
焦りはじめる俺がいる。
ずっと校門付近で待ち伏せをしていた。
見逃すなんてことはありえない。
きっともうすぐ来るはずだ。
「きっともうすぐ来るはず」と思ってから、どれほど経ったか。
「きっともうすぐ来るはず」と、何度思ったことか。
時間ばかり過ぎていく。
モモは、まだ現れない。
腹がキリキリと痛み出す。
今日はまだ昼食を取っていないということを思い出させられた。
開かなくなったカギも、昼食も、ギターの練習も、
なにもかもスルーしてこの公園に来たんだ。俺は。
今日、モモに再び会えるということだけを考えてここまで来たんだ。
もう少し待つことにした。
だが結論から言えば、モモはいっこうに現れなかった。
この公園に来てから何時間経ったか。
時計は午後5時を示していた。
腹が痛い。極度の空腹状態になると、腹がキリキリと痛むんだ。
あの子との会話から、もうすでに二時間経っている。
頭髪検査にしては長すぎる。
もしかして、もうモモはとっくに帰ってしまったのじゃないだろうか。
待っている間、脳内を駆け巡っていた疑念が濃くなる。
寒い。
風が強くなる。
俺はいったいなにをしているのだろう。
何時間もこうやってベンチに座り続けて。
たとえ会ったとしてもどうせ実らないうえに、
向こうにとっては迷惑でしかないかもしれないのにさ。
今さら会ってどうすんだろ。
「好き」とかそんなの、もうどうでもいいじゃん。とか。
懐かしいスイッチが入る。
やっぱり変われてなかったのかも、俺は。
疲労感が全身を駆け巡るようだった。
もうモモは来ないだろう。
寒いし。疲れたし。外はもうすぐ暗くなってくるし。腹は減るし。
なにがしたかったんだろう。俺は。
自己満足に浸ることすらもできないなんて。
もうどうでもいいよ。モモのことも。なんもかも。
きっとこれは、
お互いに「今」だけを見て生きていけっていうお告げなんだろうな。
俺はきっと、もうモモのことは忘れなくちゃいけないんだ。
好きにならない方がいいんだろう。
モモだって、同じ学年の彼氏をつくるさ。
なのに俺ばっかこんな調子じゃカッコ悪いじゃん。
・・・もう家に帰ろうと思った。
帰って、ギターの練習でもしよう。
バンドだ。バンドに一生懸命になろう。
モモのことなんか忘れるくらいに。
・・・そういえば、ギターを始めたのも受験勉強からの逃避だった。
なにかから逃げたくなると、俺はどうやらギターに走るらしい。
ただただひたすら弾きまくって、夢中になって、
そうして嫌なことを忘れようとしたんだ。気分を変えようとしたんだ。
またギターにすがる時が来たんだ。
モモのことなんか忘れようと思う。モモのことなんか、嫌いになろう。
そうすれば「今」だけを見つめられる気がする。
結局、なんもできないままだった。
疲れちゃったんだから、しょうがないよ。
俺は頑張ったよ。
なにかに夢中になれて、それはある意味楽しかった。
でもこれ以上続けることもできないようで。
別に後悔なんか無い。
俺は頑張ったんだからな、って。
そう思い続ければ自分の中では今回のことを正当化できるはず。
疲れたね。
今度はもっとうまくやろう。
もっとラクに。疲れない方法で。
ベンチから立ち上がり、帰ることにした。
もうすぐ陽が沈む。
もうモモのことを考えるのはやめよう。
iPodから流れる音楽を聴きながら、俺は駅に向かったのでした。
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コメント
お前は馬鹿なのか?
前からほほえましい馬鹿だなって思って読んでたけど、なに今回のは。
言ったじゃん、お前あの子のこと忘れたくないって。
なんだったんだ、あの言葉はうわべだけってことだったのかよ。
ふざけんのもいい加減にしろ。
「会えるかはわからないけれど。
何時間座り続けることになるのだろう。
晴れたらいいな。」
ってクロ言ったじゃん。
確かに明日はさ、東京大雨だけど、あの子に会いたいんだろ?
みんなすごい応援してくれてたのに、そこであきらめんの?
頼むから、最後まで、自分の納得いくまでやってくれよ。
投稿 敷島 | 2008年4月17日 (木) 19時50分
モモのことなんか嫌いになろう、って本心ですか??
クロさんが決めたならなにもいえないけど、
そんなに何時間も待ってたのに・・・
投稿 莉沙子 | 2008年4月17日 (木) 23時13分
高1の時に会えるかどうか分からないけど駅で2時間待ち伏せしたことを思い出しました。結局会えなかったんだけどさ。
また、待ち伏せしなよ。もし会えたら『あーっ先輩だーっっ』って笑顔で喜んでくれるよ。
投稿 バニ | 2008年4月18日 (金) 00時36分
役者やアーティスト,タレント等のデビューへの道を歩む芸能人志望の人達が集まる掲示板です♪のぞいてみてください!!
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投稿 オーディション情報 | 2008年4月18日 (金) 16時53分
エェッ!?(* □ )~~~~~~~~ ゚ ゚
なんかごめんね クロ
(o*。_。)oペコッ
名前同じにしちゃって
いつも思い出させていたんだね
っで ホントにあきらめるんだなぁ
クロが決めたならそれでいいけど
何時間も待っていたクロは
すごいよ!!
クロが後悔しないなら
私はそれでいいよっ
また頑張ればいいのだからさ
うちはいつでも応援してるよ
投稿 もも | 2008年4月19日 (土) 11時00分
クロそれまぢでぃってんの??
本当にそう思ってるの?
「・・・・・・・・。」
これ読み終わった時声がでなくなったよぉ?
なんで?なんで?なんで?
クロ何回も頑張るっていったじゃん。
「晴れたらいいな」って言ったじゃん。
その子のことずっと思ってたじゃん。
・・・なんであきらめるの?
もういぃの?まぢでいぃの?
クロがもう決めたなら仕方なぃかもしれんけど
ぅちヮ絶対あきらめないでほしいよ。
本当にあきらめないでほしい。
モモにそのときヮ会えなかったとしても
これから先絶対会えるはずだよ?
また前みたいなクロに戻ってよ・・。
投稿 ミッキー | 2008年4月19日 (土) 11時52分
クロ、エイプリルフールはとっくに過ぎてるよ?
本当にそうだと思ってないでしょ?
なんのために今まで頑張ってきたの?
なんのために晴れの日を待ち続けたの?
あんたそこまで馬鹿だったの?
タイミングが悪かったとか
つっかえ棒になるって、決めたのはクロだよ。
早く、目を覚まして。
落ち着いて、もういっかいよく考えて。
もういっかい、自分が何をしたいのかを。
モモちゃんに、何を伝えたいのかを。
自分が、良かれと思う方向を。
投稿 まどか | 2008年4月19日 (土) 13時51分
クロさん、こんちはー。
ちょっと自分のこと話しちゃうね。
時間あったら読んでください。
このブログの中のお告げっていうのかな、
私も友達に言われたんだー。
好きな人で、今は付き合えないけど俺も好きだって
言ってくれていた男の子が、電車に乗って女の子と一緒に
出かけるのを見ちゃった時に。
その日は私も「遊ぼう」って言ってたんだけど断られたから
別の人と遊ぶことにして出かける時に
電車の中で鉢合わせして、私はその場から逃げちゃったんだ。
追いかけてきて「出かけてくるから」だけ言って
結局その子と出かけちゃったんだ。
その時に「全ての事に意味はあるよ、だから、もう
別れて(?)関わらないほうがいいって事じゃない?」
って。言われた。
「そう、なのかな…?」って迷ったんだ。
その日は体に力が入らなかったし、死にたいし、
裏切られたんだー。もうやってられない。
いろいろお金もちょこちょこ貢がされたのかなー
と思って。
けど、やっぱり好きだったから、私諦めたくなくて。
だから話し合って、とことん話し合って、
もう一回信じて、付き合ってくれるの待つことにしたんだ。
今そいつは隣で笑ってくれてるよ。
まっすぐ私を見てくれてる。逆に私がやきもちを
向こうに焼かせちゃうくらいになったよ。
ほかにもいろいろあって、付き合うのに1年かかっちゃった。
(これからこれをブログに書くんやけどねー^^;)
だから、こういうこともあるかもしれないから
私は簡単にお告げなんだって思ってほしくないです。
くつがえせるんだって、そんなもん。
諦めなかったら、やれるよ。
まだ諦めるの早いと思うんだー。だから、頑張ってほしい。
投稿 よー | 2008年4月19日 (土) 18時44分